核のごみを無害化 「常温核融合」の遺産を利用

有害な放射線を何十万年も出し続ける「核のごみ」などを、無害な別の物質に変えてしまう「核変換」。東京電力福島第1原子力発電所の廃炉処理にも役立つと期待されるが、実現には大がかりな装置が欠かせないと考えられている。だが東北大学と三菱重工業が組み、核変換を簡単な装置で実現できるかもしれない研究が始まった。そのきっかけとなったのは、かつて誤りとされた「常温核融合」の研究だ。
■東北大学に研究部門を開設 三菱重工からも研究者
 今年4月、全国共同利用・共同研究拠点の1つで原子核理学の研究を進める東北大電子光理学研究センターに「凝縮系核反応共同研究部門」が誕生した