続編:山歩き心術―9【時休時促】その2

? 次のような例が起きた。
   道を見失い、日没が迫ってきた。再び戻る登り直しもならず、下るには急坂過ぎた。
   日暮れまでにあと1時間、メンバーの内、連れてって貰っていた高齢グループが、
『携帯が繋がった、助けて貰おう』とリーダーをさて置いて、119に叫んだ。
これを、機転と思う前に、即刻の判断以前に、すべきことがある。
『急病がおられますか、ケガ人は』『・・・』(居ない)
 居ないからと、だから出動しないわけではない、と、後に本署は、釘をさしながら、
   『場所・位置は』『・・・』(答えられない)
     『あなた?リーダー』『そうじゃありま