読売俳壇 4月5日 火曜日
俳句 渕脇 護 選
手作りの陶器の重さ卒業す 霧島 秋野 三歩
(評)季語は「卒業す」で春。卒業に際し、みんなで思い出に残るものを作ろうということで、陶器を作り、それに好きな言葉などを書いて、記念品にしたと言うのだ。その陶器の重さは、学校で学んだ長い月日の重さである。「卒業す」と言い放った潔さが光る。
ちちははの恋の話や草の餅 薩摩川内 石堂 絹子
朝東風のほどく蕾や日本晴れ 霧島 内村としお
(あさごち(つぼみ)
春宵やそぼふる雨の思案橋 霧島 尾上 春風
花ミモザ余生楽しき日も多し