人間はニコチン液(タバコを浸した茶色い水)を飲んでも死なないのか
23日(日)の読売新聞 読書紹介の欄に「浮浪児1945 戦争が生んだ子どもたち」(新潮社 石井光太 著)が紹介され、紹介した人はノンフィクションライターの渡辺一史という方なのですが、「残飯シチュー」の話題があり「何が混入しているかわからない。タバコや猫の死骸、時には使用済みのコンドームまで紛れ込んでいた」等と紹介し、「戦後日本の出発点をリアルに描き出した」と評価しているのですが、私は大きな疑問を抱きました。
猫の死骸はドンブリに入れるには大きすぎます。丸ごとではなく皮をむいて、骨をとって、刻むくらいのことはしたのではないでしょうか。食糧難の昔は犬を食べることもありましたから、猫の肉を食べたって何の不思議もありません。でも、丸ごとの犬や猫を鍋に入れて煮ていたら、食べにくいし不自然すぎます。コンドームだってゴミとして取り除くのが自然ではないでしょうか。ゴムは食べられません。鍋に焦げ付いたらゴム臭くて、いくら何でも食べられなくなるでしょう。少なくとも品質は相当に落ちて、かなりの値引きをしなければ客は寄りつかなくなります。コンドームに入っていた精液については、単なるタンパク質ですから、言われなければ気が付かないし無害でしょう。性病の菌が入っていたら良くないですが、長い時間煮ることになりますから、自然と煮沸消毒されて無害になるでしょう。
問題はタバコです。タバコを吸うことは出来ますが、タバコを水に入れて茶色い水になったら、タバコ好きの人でも嫌がる臭いがします。私は公民館の管理人で灰皿の掃除もしました。防火のために灰皿には水を入れて置くルールでしたが、掃除の時 うかつに素手の指が汚れ水に触れると後々まで臭いがこびりつきました。
さらに、このタバコを水に浸したニコチン液こそが強力殺虫剤になっています。現在では有機リン系の殺虫剤より一般的です。ニコチンの人間に対する致死量は体重?×50?といわれています。ちなみに自殺を考える方、ニコチン液を飲もうかと考えても、私は多分飲めないと思います。止めた方がいいですよ。本当に臭いですから。
「毒草を食べてみた」(文春新書 植松 黎 著)という本があり、著者はカリフォルニア大を出て実践的に毒草を研究した人で、たくさんの毒草を食べて(もちろん安全な範囲で)報告していますが、さすがに「タバコ」の項目では自身で食べた報告は記述されていません。
昔のくみ取り式トイレの蛆殺しにはタバコの水溶液を使いました。コップの水にタバコの吸い殻3本を入れて、水が茶色くなってからゴキブリを入れるとゴキブリは身動きする間もなく死んでしまうそうです。有吉佐和子氏が「複合汚染」という著書の中で誤解した(多くの批判本が出て、彼女は大きく信用失墜した)、ママレモンによるゴキブリの窒息死(彼女はこれを毒物による死と誤解した)とは明らかに違います。
こんな毒物を入れた雑炊を食べて本当に人間は死なないのでしょうか。
残飯の中にタバコの吸い殻が混じっていたが、それを捨てて煮込んだことをオーバーに書いてるのではないでしょうか。
私は著者も紹介者も現実は全然知らない人で、面白半分のうわさ話を掻き集めて、昔はすごかったと痛快がっているだけではないのかと思います。
(11月29日 22:43 追記:)
私の読売新聞に掲載された書評へのささやかな抗議文を400人もの人が読んでくれた。回答者は現在6人で3人が私に共感してくださり、3人が分かりもしないくせに勝手なことを書くなというニュアンスでした。
多分、読んでくださった方の半分以上は私の云いたいことを理解してくださったのではないかと感謝しています。特に回答者の中でヒロポンさんという方は闇市で残飯シチューがつくられている場面を実際に見ているようで、参考になるご意見を読ませていただきました。ヒロポンさんには感謝しております。
もう、これ以上読んでくださる方はほとんどいないでしょうが、23日の新聞はどこかへ行ってしまったという人のために、掲載された書評の文章を最初の批判文よりもっと長く紹介しましょう。
※「残飯シチュー」に度肝を抜かれた。浮浪児たちが進駐軍の基地から運んでくる残飯を、巨大な鍋で煮込んだものだが、残飯だけに何が混入しているかわからない。タバコや猫の死骸、時には使用済みのコンドームまで紛れ込んでいたが、「これは、カルシウムになるんだよ」と鍋に放り込んでしまったというから唖然とする。それでも客が行列をつくり、おいしくて涙があふれるほどだったという。※引用はここまで。
この文章を「残飯のゴミは取りのけ、猫は精肉して鍋に入れた」と受け止めるべきだとして、私を批判する人がいました。私はそういう主張は絶対受け入れられません。
ペンネーム:ネズミさん
私は「何が混入しているかわからない。タバコや猫の死骸、時には使用済みのコンドームまで紛れ込んでいた」という文章が書いてあったと記載した上で批判しています。
だから、闇市の商品として売る場合、ゴミは取り除き、猫は死骸ではなく肉にして入れるだろうと批判しているのです。私は著書は読んでいません。著者が残飯からゴミを取り除き猫は精肉にして食用に供したと記述したのに「何が混入しているかわからない。タバコや猫の死骸、時には使用済みのコンドームまで紛れ込んでいた」と紹介されたら、書評として目茶苦茶でしょう。著者として名誉毀損で訴えるほどのことでしょう。
でも、書評を書く人がそこまで目茶苦茶書きますか。紹介された本にそう書いてあり、だから、「何が混入しているかわからない。タバコや猫の死骸、時には使用済みのコンドームまで紛れ込んでいた」と紹介していると考えるのが自然ではないですか。
私に対して「本を読んでないなら批判するな」という意見もありましたが、それなら、世の中に起こるほとんどの事件について、政治問題について、私たちはそれ程の情報や知識を持っているわけではないのですから、何も発言してはいけないと言うことになってしまいます。
そう考えるなら、私の発言についても、私の人格や知識量を情報を知らない人は、私に対して何も言ってはいけないということになってしまいます。
私はそういう考えには反対です。新聞に書いてあったことが納得できないから、納得できないといってるだけです。私の大好きなとても信頼している読売新聞に「朝日が従軍慰安婦の記事を書いたようなねつ造記事」は掲載して欲しくない といっているだけです。
あとで、新聞社へ抗議文を書いて出しておいた方が良いかな。
ペンネーム:ヨソウヤさん
ペンネーム:ネズミさん
それと、私は猫の死骸が残飯に混じることを不自然に思います。猫は道路で車にひき殺されていることはよくありますが、人間の住むところで台所などで死ぬことはありません。病気怪我などで死ぬ猫は縁の下など暗く静かな人目につかないところへ隠れて死ぬ習性があるように思います。また、飼い猫であれば墓をつくって埋めたがります。
住宅地では人目につくところで死ぬことがない猫の死骸を、わざわざ遠くから探して拾ってきて残飯に入れる人はいないと思います。
道端に死んでいる猫なら、片付ける人も精々道端の草むらに放り投げるだけでしょう。
ペンネーム:ヨソウヤさん
私は猫の屍骸を、精肉にして入れたとは一言も言っていませんよ、精液を入れたのは、米兵が嫌がらせに入れたのと同じ動機で、より弱い立場の人への嫌がらせだと思いますが、私は取り出す時に先っぽを掴んで間違って混入したのを正当化したのではと思います。
追記の中にも全てを煮込んだとは書いて有りません、ですからニコチン問題は起こらなかったと思います。