「法華経」は「諸経の王」と言われるそうだが、それは「法華経」が「皆成仏道」、つまりあらゆる人の成仏を説いているからだそうだ。「悪人正機説」を思い起こさせるが、当然、法華経の方が先に編纂されている。法華経は、仏教が小乗仏教と大乗仏教に分かれて対立していたのを乗り越え、弁証法的により高い次元で統合することが試みられているそうだ。 法華経の思想は親鸞や日蓮など日本の仏教界にも大きな影響を与えたが…
本書によれば観音とは宇宙の生命そのものであり、形のないものだという。大日如来も同じだったと思うので、結局仏とは宇宙の生命そのものということになるのではないかと思う。観音はインドのヒンズー教、あるいは他の宗教の女神が仏教に取り入れられ、観音菩薩になったのではないかと推察されるとのことである。悲華経というお経に観音誕生の物語が説かれている。いわゆる観音経は法華経の中の一部、第二十五品「観世音菩薩普…