薩摩よみうり文芸 6月6日(火) 俳句 大川畑 光詳 選 まま 儘ならぬ竿の扱ひ梅落とす 霧島 尾上 春風 (評)梅雨に入る頃、梅の若葉が茂ってくると、梅の実が太り始める。黄熟する前の、固く緊った青梅を収穫して梅干しや梅酒などを作る。大きな梅の木は竿で枝を叩いたり、揺らしたりして落とす。竿で叩くたびに梅の実がぱらぱらと音立てて地面に転がる。竿の扱いに苦労しながらも、毎年…
5月30日 俳句 俳句 大川畑光詳 選 アマゾンに眠る同胞ホトトギス 霧島 薗 孝湖 (評)ブラジルへの日本人移民は1908年に開始された。コーヒー農園での過酷な労働から始まり、大変な苦労の末、多くが自作農として独立したという。作者の血縁にも、そういう方がアマゾンの地に眠っておられるのだ。「不如帰」は 「帰るに如かず」(帰るのが一番だ)の意味を持つ。故国を遠く離れて眠る…