出 来 心

今宵は満月
「何かの呪いが起こる」と村の人々は大騒ぎ
森の鎮守様にお酒にお餅等山盛りにし、
供物をした

真夜中の警備に青年団が見張る事にした
老人会は放っとけばいずらー、と無関心、

酒盛りをし暫くすると青年団は眠ってしまった
村の役員だけが目を開けていた

松明も徐々に消えかけ、辺は水を打った様な
静けさになった

するとズルズルと何かを引きずる様な物音に
寒気が走った
寝たふりで薄目を開け辺りを見張っていた

漆濃の闇の夜にギラギラとした目玉の怪物が現れた
ゆっくりと進んでくる大きな袋に身を隠し

神社のお賽銭や祝儀袋、供物を全部頂きとは何と言う