夜明け前の3時過ぎ頃、トイレに起きた
天窓からぼんやりと明かりが差し込んでいる
台所の土間の片隅に何者かが此方を睨んでいる
はッと思い目を擦り見直してみた
矢張り何者かがいる
棚の影になっていて良く見えない
手招きして此方へ来いと言っている様だ
其れより怖くて手足が動かない
如何しようと思っている間に
恐怖で気絶してしまった
どれだけの時間が経たのだろう
周囲がざわざわしてる
「姉さん、大丈夫か」と言っている
我に返り辺りを見てみると
土間で夜を明かしたようだ
あの片隅に一目散に目を遣ると
常滑焼きの狸が立っていた
「あの狸は」と聞くと
「昨
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