UNICORN & LoVE

紡がれているのは、ユニコーンが語る乙女の物語。

仄暗い室内で、天井まで届く大きなタピストリーに四方を囲まれ、
現実から隔離されたような錯覚に陥ります。
退色した赤が、まるで時を経たテンペラ画のように美しく、
本当に布を織り込んだのかと、油彩と見まがうほどの緻密さです。

触覚…
月の光のように輝く角にそっと触れる。
伝わる感触は、一角獣の心臓の鼓動。

味覚…
初めて味わう、蜜。
トロリとうねる甘い波は、心地よく舌の上を這っていく。

嗅覚…
初めて嗅ぐ、香り。
大地に育まれた贈り物を、胸一杯に吸い込む。

聴覚…
初めて聴く、旋律。
目に見えない優し