ダンスを始めたわけ

詩 2編



 降りてきてくれた神様


雪の降る 冷たい夜だった

金色 銀色にきらきら光るあかりの下で

待っていた

女の子は白いドレスを着 胸にはピンクの

バラを飾っていた

王子様は なかなか現れなかった


(踊ってください)差し出された手は

しわしわだった

女の子は 嫌々たちあがった


老人に手をひかれ 踏み出した足は そのまま

宙に浮いた

足に羽が生え 女の子は蝶になった

シンデレラになった

狭い室内は 大きく膨らんで空間という空間に

甘い香りがむせかえり

金色の粉がふりしきった


あれから 女の子は ずーぅっと老