「どうして、うちの新聞は となりの県の しかも
地方紙なの?」
父に不満を言った。
二十歳で、血気盛りの私に怖いものはなかった。
私が おさないころ 父は小学校の代用教員を
していた。
父の担当クラスにA君がいた。
貧しかったという。
学年費を払えず教材を取り上げられたり弁当を
持ってこられなかったりで、いじけてもいた。
そのためか、けんか早くもあった。
父はクラスの子供たちに
「A君の友達になってやれよ」
と頼んだ。
みんな純粋で、すぐに仲良くなり、A君もじきに
明るくなったという。
ところが担任が別の教員に代わるたびに元に戻ると
い
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