趣味でつながる、仲間ができる、大人世代のSNS、趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)

よくあるご質問

「ドキュメント深海の超巨大イカを追え!」を読んで

物語は撮影成功の10年前に遡る。この時点ですでにプロジェクトの中心人物となる国立科学博物館の窪寺博士、NHK科学番組プロデューサーの岩崎、ディレクターの小山は出会っており、ダイオウイカを撮影したいとの思いを共有しており、運命の地・小笠原で撮影に臨んでいる。小笠原は東京都であるにもかかわらず1,000km離れており、飛行機が飛んでいないため船で1往復するのに6日かかるという。このスピードアップの時代に信じられない時間感覚だが、そんな人間の喧騒からは遠く離れた深海だからこそダイオウイカは生息しているのかもしれない。
 初の調査から3年目の2004年の秋に静止画でのダイオウイカの撮影に成功。2005年に窪寺が研究成果を英語の論文にまとめ発表すると、世界的に大きな評判を呼ぶことになった。2006年には窪寺はダイオウイカを釣り上げてしまう。ここまでは順調にダイオウイカに迫って行ったが、NHK内ではダイオウイカの動画を撮影するという企画は通らない。国際共同制作の提案にアメリカ・ディスカバリー社が賛同し、2009年の夏から3年間の深海プロジェクトが開始することになった。
 満を持して開始したプロジェクトだが、最初の2年間は成果なし。部長職にあった岩崎は撮影に専念するため、自ら部長職を辞してプロデューサーとして現場に戻る。成果が出ないことからプロジェクト解散の危機に見舞われ、東日本大震災も発生。2011年は潜水艇が借りられないという事態も発生し、プロジェクトは1年延伸。いよいよ運命の2012年を迎える。プロジェクト最終年ということもあり、今回は多くの国際的な専門家が撮影に参加し、まずは生物発光をまねたEジェリーと呼ばれる機器で無人カメラでのダイオウイカ撮影に成功。そして、窪寺が乗る潜水艇トライトンで23分に及ぶダイオウイカの撮影へと結実する。
 深海プロジェクト・チームのダイオウイカを撮影したいという情熱と、それを周囲に理解させた行動力。丹念に情報を集めダイオウイカの現れやすい時期を特定し、またダイオウイカの特性を分析しおびき寄せる作戦。そして、最後は運命に身を委ねる。そこに奇跡は起こった。素晴らしい成果を上げた人々には賞賛と、その努力に脱帽するのみ。

コメント

コメントはありません。