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よくあるご質問

白洲正子「かくれ里」を読んで

「かくれ里」とは、人里離れた山奥ではなく、ほんのちょっと街道筋からそれた所にひっそりとした真空地帯があり、そこには世に忘れられた古刹や美しい美術品、祭りなどの習俗が今でも村人たちに守られている。著者がそういう所を好んで訪ね歩いた紀行文が本書である。場所としては、吉野、葛城、伊賀、越前、滋賀、美濃など大和朝廷からの近場が多い。また、かくれ里と言われるだけあって、落人伝説が残っている村落が多いのも特徴だ。やはり関東は武士の都、血筋の尊さでは近畿圏に負けるのであろう。
 本書には多くの神社や寺が出てきて、修験道の役行人や、本地垂迹の体現者として行基、泰澄などについて何度も言及される。本地垂迹は一般には仏が神の姿で現れ、衆生を済度することとされているが、著者は逆で日本人はもともと山や大木、石などの自然を畏れ、崇拝してきたが、そこに仏教が無理なく吸収されたと考える方が自然だという。立木観音などその典型であろう。もともと日本では神仏習合で神と仏がうまく融合していたのを、明治政府が神道を国教とし、廃仏毀釈を行ったことでおかしくなったのであろう。まだ私は観光地化された寺社を巡っているレベルだが、いずれはかくれ里も巡ってみたいと思う。

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