今、人間社会ではコロナウイルス禍であるが、これは動物界に突然発生した未知のウイルス病とそれを巡る人間社会の話である。
競馬会、馬主界、飼育する人たち、獣医師会、研究者、大学、国の機関、農水省、厚労省など今起きているコロナ禍と同じ様な主役、脇役などを著者が獣医師であり研究者でもあるので学術的にもしっかりした記述で第24回日本ミステリー文学大賞新人賞の受賞作である。
ミステリーなので詳しくは記せないが、理系ミステリーの新しい試みと思います。
更に、ウイルスの仕組、変異などの知識も読み進めば得られる本でもあります。
馬疫(ばえき) 茜 灯里(あかね あかり)著
光文社 1700円+税
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コメント
愛犬ダイさん
2021年05月23日 19:09
コロナウイルスは元々動物特に鳥類の病気で悩まされ獣医師の研究テーマの一つでした。そうしたことから今TVなどで良く見られるウイルス学者で獣医師の方多くいます。
また人獣共通感染症も結構多いのでよ。
この小説では馬特有の感染症と思われるものが人にも感染の可能性が思われたり、農水省厚労省の縄張り争いが病気や原因究明以前の問題としてあったり、大学や研究所間の問題、人事や利権の問題、オリンピックの馬術競技の問題、馬主とお金の問題などが原因究明に立ちはだかりミステリーを構成しています。若き女性獣医師が解決に挑戦するものですが・・・・・
由紀さん
2021年05月23日 17:11
理系ミステリーというのは初めてです。
それに馬疫というのも始めて聞きました。
人間にコロナウイルスがいるように動物にも恐ろしいウイルスがいるのですね。
獣医達はどう戦ったのかの物語でしょうか?
コロナと対峙している私達も参考になるような気がします。
何故ミステリーなのでしょう?
興味が湧いています。