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よくあるご質問

岐路に立つ除染(11) 帰還への模索 線量可視化理解後押し

ガンマカメラで撮影した画像について説明する遠藤
 民家の玄関口にレンズを向ける。約20分が経過すると、玄関の風景に赤や青で色分けされた画像が重なる。「よし、この家はこれで終わりだ」。川内村に住む村の放射線管理員遠藤真一(62)は額にしたたる汗をぐっと拭った。
 村が導入した空間放射線量を可視化する「ガンマカメラ」による測定は4月16日から始まった。取り扱うには専門的な知識を持った人物が必要だった。白羽の矢が立ったのが、かつて東京電力の協力企業社員として福島第一、第二原発の放射線管理を担当していた遠藤だった。
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 測定の対象は、国が長期目標としている年間1ミリシーベルト(毎時0.23マイクロシーベルト)を超える世帯と、その基準を超える世帯の比率が多い行政区の全世帯の合わせて約600世帯。1軒の家につき、玄関先だけでなく、線量が高く、家人の居住空間に近い屋外の1カ所を「代表ポイント」とし、計2カ所測定する。ガンマカメラの画像で赤く表示された場所が周囲より線量が高い場所だ。
 事故後、遠藤が勤務する会社は村の除染などを推進する村復興有限責任事業組合に所属した。遠藤も放射線管理のノウハウを伝える放射線教育に携わった。
 昨年12月、村内の宅地除染が一段落したため、退職した。復興が道半ばの状況で職場を去ることには後ろ髪を引かれる思いもあったが、当時の状況を「身も心も疲れ切っていた」と振り返る。だが、今年2月、村からガンマカメラ技術者としての仕事を打診され、引き受けた。「生まれ故郷を事故前の姿に戻す手助けになれば」と再び除染の現場に戻る覚悟を決めた。
 村民には除染後の状況だけでなく、放射線の知識も身に付けてもらうことを意識している。7月に行われたガンマカメラ測定結果の説明会では、放射性カリウムを含むカリ肥料が置かれた場所が赤くなっている画像を示し、「事故の影響がなくても線量が高い場所はある」と丁寧に説明した。「放射線を恐れることは簡単。日常生活でのリスクとメリットを考えた上で行動してほしい」
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 ガンマカメラでの測定は今月20日時点で約250世帯が終わった。残り約350世帯についても年内にも終了させる。村は測定結果などを基に、再除染の実施を国などに求めていく考えだ。村長の遠藤雄幸(58)は「村民が画像で確認することで除染後の状況を正しく理解してもらえる。再除染の効率化にもつながるはずだ」と説明する。
 村はガンマカメラと同時に空間放射線量を測定している。それによって分かってきたことがある。除染した世帯で、その後に線量が上がったケースが2件あり、いずれも家の近くに山林がある場所だった。高い所では毎時1.46マイクロシーベルトから同2.1マイクロシーベルトにまで上昇していた。「割合としてはごくわずかだが、山林が宅地の線量にどう影響を及ぼすのか、今後の調査で判断する必要がある」と村復興対策課除染係長の横田正義(52)はみている。
 山林からの影響が少しずつデータに表れ始めた中、山林除染の方法に1つの道筋を示す研究が進んでいた。
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2013/09/post_8230.html

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