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よくあるご質問

髪を切った私に〜Pineapple?〜

Pineapple特集、今回は“赤いスイートピー”。聖子を代表する曲となると、世間的にはこの“赤いスイートピー”、“Sweet Memories”そして“あなたに逢いたくて”あたりになるだろうし、聖子自身も確かNHKの番組でそんなことを言っていたと思う。実際、この曲をカバーする歌手は多く‐今をときめく売れっ子女優、綾瀬はるかも歌っていたはずだ‐最近もAKBの岩佐さん(?すんません、良く知りません)がカバーするとか、堀北真希主演映画の主題歌になるとか、話題に事欠かない。

聖子に言わせるとこの曲から女性ファンが多くなったのだそうだ。確かにこのころから女の子の間で“少なくとも聖子の曲は良い”という評価になってきたと思う。何せ、作曲が若い女性のカリスマへと急速に成長していたユーミンなのだ。当時、ユーミンの音楽はアイドルの属する歌謡曲より一段、高級な別カテゴリーのもので、アイドルとは無縁なものと捉えられていた。だから、多くの若い女性たちがその意外な組み合わせに、まずは“えッ!”と驚き、改めて曲を聞いて、聖子を見直した‐いや“聴き”直したのだろう。そこで発見したのは“モロにユーミン”‐これが僕のこの曲の第一印象‐な繊細な優しさそのもののようなメロディーとそれにぴったりと合った松本隆の柔らかながら微妙な心の揺れをそのまま視覚化したような詞句の数々。“春色の汽車”“四月の雨”そして何よりも“線路の脇のつぼみの赤いスイートピー”。松本隆は意識的に女性ファンの拡大を狙っていたらしい。そのため、アイドルポップの常道である“元気でピチピチの女の子”を“揺れ動く繊細な内面を持った少女”へと変身させること。それが聖子に課された課題であった。

実はこうした変化は、“赤いスイートピー”以前、松本隆が関りだした白いパラソルのから始まっていたのは、今となっては誰もが知る通り。だが、リアルタイムでは、そうした変化が広く認識されているとは言い難かった。“白いパラソル”や“風立ちぬ”での聖子の歌が新たな曲のイメージ通りになっていなかった、ということでは全くない。それどころか、聖子は見事すぎるくらいに新しい歌を消化し、今となってはそれらどれもみな聖子の名歌唱に数えられている。しかし、一度染みついた大衆イメージはそう簡単に変わらない。業を煮やした聖子がとった行動とは…聖子カットをバッサリと切ってショートカットにしたのである。

あまり人が指摘しないのが不思議なのだが、この新たな髪型への変化があったからこそ、松本隆=ユーミンの提示した“赤いスイートピー”での優しく繊細な少女像が、歌だけに留まらぬ実際の聖子の変貌として広く同年代の女性たちに受け入れられ、女性ファンの拡大に繋がったのだと思う。同時に、あの誰をも可愛く変身させる魔法の髪型“聖子カット”から離れても、十分に可愛いことを証明することで、聖子は他の凡百のアイドルたちとは文字通り“別品”=“別嬪”であることを証明し、アイドルとしての自分も一段も二段もランクアップさせたのだ。

髪を切ったアイドルというと、この数年後、やはり聖子カットをショートにして“カゲキ”なるキャッチフレーズとともにアイドル最前線に一気に躍り出たキョンキョンが引き合いに出されることが多いが、本当に過激なのは、この時の聖子だろう。何せ、日本中の女の子の髪型を一様にした自分の代名詞だった髪型を変えたのだから、そのプレッシャーは比ではない。なんでも、聖子は周囲の反対を押し切って、この決断を自分でしたのだそうだ。聖子のことなので、深い考えがあってのこととは思わない。単に同じ髪型に飽きただけかもしれないし、あるいは、デビュー三年目に向かい、人気は依然として高いとはいえ沈静化しつつあったブーム、そのころ散々悩まされた声の不調、聖子なりに行き詰まりを感じて鬱憤を発散したかったのかもしれない。いずれにせよ、この決断は見事な結果を出した。聖子は人生の節目節目で、時として素晴らしいカンの冴えを発揮するが、この髪型の変化もそのひとつと言っていいだろう。

そんな“赤いスイートピー”、今から思うと、さぞすごいヒット曲だったんだろう、とリアルタイムをきちんと記憶していないと誤解してしまうが、実はそうでもないのだ。もちろん、当時の聖子でチャートNo.1を取った曲だから、テレビやラジオで頻繁に聞かれる曲だったのは間違いないけど…まあ、聖子としては並みのヒット規模。それが証拠に、この曲、聖子のX’mas QueenのTV放映分からは外されている!それがいつのまにやら、その曲の良さ、聖子の歌の見事なはまり具合で、ファンはもちろん、それ以外のフツーの人たちの間にも浸透していって、聖子と言えば“赤いスイートピー”になった…のだと思う。

コメント

ボッサクバーナさん

2013年09月23日 21:38

赤いスイートピーの動画、数多いのですが、ベストはやはりこれでしょう。→http://www.youtube.com/watch?v=KpjJ0ZCodNg
この動画自体は色々な動画を切り貼りして、色々な聖子を楽しめるようになっていますが、歌は左隅の夜のヒットスタジオの黄色ドレスの時のもの。今のようなタメもなくごく自然にサラッと歌うのだが、それが良い。切り貼りした動画の中にはまだ聖子カットで歌う珍しい赤いスイートピーがあるので、僕が本文で言っていることがよりはっきりお分かり頂けると思う。

もうひとつ、赤ドレスの赤いスイートピーを。→http://www.youtube.com/watch?v=9EFpD0As_co&list=PLAtYq7w4LhsJ2hGFCEUort2O3fdEzlg3_
出だしをちょっぴりミスっているのだが、その後はドンドン盛り返す。黄色版より切々と歌うのだが、今のように演歌にならないのが素晴らしい。それにしても曲の解釈もふりつけもその時の自然な流れで変幻自在なのが、この頃の聖子の良さで、今日の聖子はどんなかな、と期待しつつテレビを見るのがこの時の楽しみだった。初々しい聖子。

赤いスイートピーには様々なカバーがあるが、Youtubeに良く引き合いに出される徳永氏のものより案外デーモン小暮のものの方が面白いと思う。この人、意外とマトモで真面目なんだな。→http://www.nicovideo.jp/watch/sm15400309?ref=search_key_video

それと本文に合った綾瀬はるかヴァージョンも発見。この素朴さはなかなかもので、AKBのこじはるさんのものより遥かに良い。いかにも松本隆が好みそうだ。→http://www.nicovideo.jp/watch/nm11113189?ref=search_key_video

近年の聖子のもの、僕には手癖ならぬ喉癖で歌っているようで何なのだが、これは良いと思う。ユーミンパパのシンプルだけどツボを抑えた演奏が素晴らしく、聖子の歌がそれに引っ張られた。こういう自分がリフレッシュ出来る試みを聖子はどんどんすべきだ。→http://www.youtube.com/watch?v=HF_kLY8XYAk&list=PLB62840A9EF0930C1