日本の仏教について

「世界の名著:大乗仏典」P63~から引用する。
筆者は長尾雅人。昭和42年12月、1967年発行の本。


「ひとくちに仏教といえば、すべて同質のもののように考えがちであるが、中国の仏教はインドのそれとはまったく違い、日本の仏教も同じように中国のそれとは大いに違う。
インドの中観・瑜伽行唯識の両大乗は、中国に輸入されて、前者から三論宗、四論宗などが誕生し、後者からは地論宗、摂論宗、法相宗などが生まれた。後には真言密教も入ってくる。

 しかしこれらはいずれも、移植された輸入仏教、あるいは翻訳仏教にすぎず、しかもそれがどこまで正当に、また純粋さをもって