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よくあるご質問

〜PAUSE〜 ?九月の特選ミステリー?(其の2)

★ フォルカー・クッチャー『死者の声なき声』〈上・下〉 (酒寄進一 訳)
                          創元推理文庫/各1134円

 女優を狙った猟奇殺人

 ナチスの台頭から独裁政権期へと至ろうとする、1930年代初頭のベルリン。街は
転換期につきものの、繁栄と頽廃の匂いで溢れていた。
 フォルカー・クッチャーの『死者の声なき声』は、まさにそんな時代の、混沌とした街
と人を鮮やかに描いた警察小説である。

 物語は、映画がトーキーに変わろうとしているさなか、将来を嘱望されていた女優
が、撮影中に痛ましい死を遂げることで始まる。当初は事故と思われたが、捜査の結
果不審な点が次々と見つかっていく。
 そしてさらに続いてもうひとり、声帯を切除された女優が、死体となって発見された
ことから、連続殺人事件の可能性も見えてくるのだった。

 主人公の刑事は、愛車ビュイックで街を縦横に駆けめぐる一方、捜査をめぐって上
司と激しく反目し合う。
 個と組織の対立を背景に、正義のありようを真率に問う無骨な刑事の、無骨な生き
様を描き展開していくのは、様になってすっきりさせられる。

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