〝ローライ35 そのポケットな魅力〟

● 戦後良質の日本製カメラが世界に進出し、35mmカメラに主流が移るにつれ、二眼レフの低迷はいっそう深刻なものになった。ローライはそれに代わる新しいカメラを模索。そしてローライ35が誕生した。

 1950年代後半から始まった35mm判カメラのスペック競争は、小型化の傾向にあったカメラサイズを再び逆戻りさせていた。
 一眼レフ化に遅れたローライはここに目を付ける。ドイツの真骨頂であった「精密機械カメラ」の原点に戻ろうと考えたのだ。新しい設計者ハインツ・ヴァースケを迎えて完成したローライ35は、当時の常識をはるかに超えた〝フルサイズ〟なのに〝ポケットに入る