〝ニッコールレンズの優秀さはライカⅢfによって認められた〟

 ライカⅢfは、日本のカメラ工業が隆盛に向かう決定的なきっかけを創ったカメラでもあった。

 ライフ誌の特派カメラマン、ダグラス・ダンカン氏がニッコールを発見した「神話」は有名であるが、彼が朝鮮戦争の前線に持参したカメラは、ニコンではなくライカⅢf二台とニッコールのLマウント50ミリF1.4(F1.5との説もある)と135ミリF3.5であった。

 ニッコールレンズの優秀さは、ニコンによって実証されたのではなく、ライカⅢf型によって認められたのだった。