〝ドイツのモーリッツブルク城〟

● ザクセン王国の栄華を伝える森と水の館

 ドイツ東部の広大な森の中に建つモーリッツブルク城は、オレンジ色の丸屋根のイエローの城館が湖面に映り、いかにも豪勢な貴族の館を彷彿とさせる。

 この美しいバロックの宮殿内には4つの巨大なホールがあり、食堂のホールには、壁中に大鹿の角のコレクションが飾られている。

 16世紀ザクセン公モーリッツによって猟館として建てられた城は、18世紀にアウグスト強王によって今日の美しいバロック様式の宮殿へ変貌した。24歳で選帝侯、のちポーランド王も兼ねた強王は、ザクセン王国の黄金時代を築いた。愛妾を次々と変え、子供は200