〝ルクセンブルクのヴィアンデン城〟

● 文豪ユーゴーも愛した渓谷と森の国の名城。

 森と渓谷の国、ルクセンブルク。ウール川が流れるのどかで小さい町の小高い丘の上にヴィアンデン城がある。その姿はロマネスク様式が混在し、威風堂々としている。

 城は11世紀、ヴィアンデン伯爵が建造した。のちにルクセンブルク大公家の祖となるナッソウ家に受け継がれ、城は公国の発展とともに18世紀まで拡大を続けた。

 19世紀、ルクセンブルク伯がオランダに移ると、城は商人に売却され、豪華な家具類はすべて持ち去られてしまう。建物は破壊され、城は著しく荒廃した。当時、この地に滞在していた文豪ユーゴーは、荒れた城を見