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よくあるご質問

短歌の基本(7) 「たり」と「り」

今回のテーマは「たり」と「り」です。
またまた文法の話で恐縮です。
難しいと感じたときは、読み飛ばしていただいてかまいません。
こんなものかと思って読んでください。

まず、「たり」と「り」は「完了の助動詞」です。
口語で「花が散った」という状況を文語で表現すると「花散りたり」ないし「花散れり」となります。
厳密に言うと「たり」と「り」には、「花が散っている」という「存続」のニュアンスが含まれています。そこから派生して「完了」の意味を持つようになりました。

「過去・完了」の口語の助動詞は「た」だけですが、文語では「き」「けり」「つ」「ぬ」「たり」「り」と六種類もの助動詞があります。
そのうち「たり・り」は存続の意味が含まれていることは覚えておいて損はありません。

さて、「たり」と「り」の間違いやすい点について説明しましょう。
「たり」は動詞の連用形に接続しますが、このとき誤りがおきることはほとんどありません。

問題は「り」です。
「り」は四段活用の動詞の已然形かサ変動詞の未然形にしか接続しません。
歌で見てみましょう。
---------------------------------
目を病める
若き女の倚りかかる
窓にしめやかに春の雨降る
---------------------------------(石川啄木)
この歌では四段活用の已然形「病め」に「り」が接続し「病めり」となっています。
つまり目を病んでいる状態(存続)を表しているのです。
このように使う場合は正しいことになります。

例えば間違いやすい例は次のような場合です。

「越ゆ」「覚ゆ」「見ゆ」など下二段活用の動詞に接続する誤りがあります。「越えり」「覚えり」「見えり」としてしまう例です。正しく表現するなら「越えたり」「覚えたり」「見えたり」となるでしょう。
また、「あり」「居り」などラ変動詞に接続する誤りもあります。「をれり」と表現する誤りです。「居りたり」「居りぬ」なら問題ないでしょう。

このように助動詞「り」は非常に間違いやすいので、字余りになっても、まず基本形として「たり」で考えましょう。

「り」については音数の関係などで、ついつい文法上の誤りを犯すことが多いので注意が必要です。

現代短歌の文法上の誤りが、この「り」に集中していることが言われているため、トピとして掲載いたしました。

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