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よくあるご質問

短歌の基本(10) 対比

今回のテーマは「対比」です。
「対比」は「繰り返し」と同じく短歌の技法の一つですが、技法として意識されることは少ないかもしれません。
無意識のうちに歌人はこの「対比」を取入れて作歌しています。
対比の対象は、例えば自分と他者、天と地、光と影、大と小など様々です。

具体的な歌で見ていきましょう。例えば次の歌です。
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・父母(ちちはは)は梅をみておりわれひとり梅の向こうの空を見ている
---------------------------------(沖ななも)
この歌は両親と自分の対比があります。父と母は梅の花を観賞しています。しかし、自分は梅ではなく向こうにある空を見ていると詠っています。同じところにいて同じ状況にあっても「父母」と「われ」は違うのですね。ぼんやりと空を眺めながら違うことを考えていたりします。こうした違いを浮かび上がらせることで短歌として立ち上がってくるのです。

ほかの例も見てみましょう。
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・白の椅子プールサイドに残されて真冬すがしい骨となりゆく
・てのひらに卵をうけたところからひずみはじめる星の重力
---------------------------------(佐藤弓生)
一首目は、プールサイドに放置された白い椅子が真冬の光を浴びて、動物の骨のように見えてくるという情景を歌にしています。この歌の中には夏と冬という季節の対比の他に、生と死あるいは有機物と無機物という対比が隠されています。
二首目は、卵の形から手のひらの形という対比があります。また卵と星という小と大の対比があります。日常的な具体物から展開して、「星の重力」という言葉から宇宙的なものへの広がりも感じさせるように作られています。ここがみそですね。

さらにもう一首。
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東の野にかぎろいの立つ見えてかえりみすれば月かたぶきぬ
---------------------------------(柿本人麻呂)
万葉集の有名な歌です。
この歌の中にも見事な対比があります。
ここでは敢えて解説はしないでおこうと思います。

短歌における「対比」は「比喩」や「繰り返し」以上に重要な視点かもしれませんね。
すこし意識して詠ってみるようにしてみたらいかがでしょうか。

コメント

グッドライトさん

2013年09月30日 22:39

ゆめ しずかさん
このトピに感心するゆめしずかさんなら、深い歌もきっと詠めると思いますよ。

グッドライトさん

2013年09月30日 22:39

りりちゃんさん
そうですね。一度、意識的に詠んでみる練習もしてもいいと思います。

グッドライトさん

2013年09月30日 22:39

ありごさん
コメントがあると嬉しいものです。
感想でもいいのでコメントしてみてくださいね。

ゆめ しずかさん

2013年09月30日 15:38

凄い^^ 感心して しょぼーん

駆け出しの 私が 出来ないわけだ 

奥が深すぎ 

有難うございました

りりちゃんさん

2013年09月30日 12:00

読ませて戴きました・私達は無意識にこの対比はよく使っています
こうして読ませて戴いて再認識をし、自分の歌を詠んでいきたいと
思います。

ありごさん

2013年09月30日 11:32

納得できて何回も読み返しました。

今回他の方の短歌を拝見しても,コメントのしようがないのですが、
このような基本を知ったら何かコメントできそうな気がします。