純愛の霊が呼び寄せる!

身も心もぼろぼろに成って、早朝の仙台駅の待合室の長椅子に仰向けに寝ている赤羽健一に会ったのは晩秋の十月の末だった。履いているジーパンは皺だらけで、着ている白いカッターシャツはグレーに変色して悪臭を放ち、白いズックはもう元の色を失っていた。青白い生気を失った赤羽の顔を上から覗きながら、私は立ったままゆっくり声を掛けた。

 「おいっ!、赤羽・・・」赤羽は長椅子に仰向けに寝たまま、病人の様に少しづつ目を開けた。驚いて目を丸くし、力無く口を開いて話した。「里・・なのかっ?・・・どうして此処に・・・」力の無い弱々しい声で、語尾の方は聞き取れなかった。「赤羽っ、お