猛吹雪

小学校四年の冬だった、一人でスキーを履いてかなり山奥まで入った。そこにはあまり木の生えていない山の急斜面が在ったからだった。三時間程滑ってその帰りに突然の猛吹雪に見舞われ、右も左も見え無く成ってしまった。もう三キロ程で家に帰れる所まで必死に戻ったのだが、日も暮れて暗く成って既に方向感覚を失ってしまっていた。

 「猛吹雪で何も見え無いっ・・大変だぞ此わっ!・・・」近くに小屋でもないかと思うのだが、全く視界が効かなかった。そうこうしている内に、スキーが勝手に滑り出していた。吹雪の新雪の上を少しづつスピードを上げ始めたのでかなりの急斜面だと思った時、急に視界