秋の祭り

「窓から・・祭りの山車が通るのを見ててくれないかっ?・・・」小学校入学二年程前の私は、婆ちゃんに言われたとうりに二階の部屋の窓から秋祭りの山車が通るのを目を懲らして見下ろした。

 次々に通る各町内の秋祭りの山車は、私の家の前を通る時に太鼓やお囃子を一時停止した。

「婆ちゃんっ・・皆太鼓もお囃子も止めて家の前を通って行くよっ?・・変だなっ?・・・」

 婆ちゃんは寂しそうな顔で・・「やはり・・そうかっ・・・」そう言って下を向いた。「秋坊っ・・婆ちゃんはなあっ・・秋坊の事が大好きだからなぁっ・・・」婆ちゃんは両腕で私を思い切り抱き締めた。私の額に婆ちゃん