納骨堂を回る人

小学校低学年頃の、私が体験したお話です。
遠い親戚にあたる男性が亡くなったとのことで、黒っぽいワンピースを着せられた私は車で少し遠方のS県の郊外へお葬式に連れて行かれました。
亡くなった人は、あまり馴染みのある人でもなく、私自身会ったことがあったのかどうかもわからないような人です。
お葬式は規模も小さなものだったらしく人もまばらでしたが、始まる前、両親は挨拶や親類と話をしていたのか、私は一人で放置されていました。
駐車場とお寺の横には少し見下ろすような場所に墓地が拡がっていて、お寺と墓地の間には一見豪華な金色の屋根で飾られた四角い納骨堂が建っていました。