ミニ恋愛小説「ラブレター」(6)

一方、孝司のほうは英語の読み書きは問題なかったが、会話がちょっと不十分だった。会社の書類関係は日本でも英文だったからだ。
 ニューヨークに来て夜飲み会などではスラングの多いことに戸惑った。それも慣れの問題で2ヶ月も経つと何年もニューヨーク在住という顔つきになった。
 ブレッドとコックスという親しい友人もできた。週末にはパーティがありブレッドやコックスの女友達とも合流する。ブレッドはハーバードだしコックスはスタンフォードで二人とも遊びは非常に楽しい。歌もうまいし楽器も演奏する。ブレッドはピアノ。コックスはギターという具合。
 その点、孝司には何の特技もない