【名古屋市美術館】『ガウディとサグラダ・ファミリア展』を鑑賞する会のイベントレポート

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【名古屋市美術館】『ガウディとサグラダ・ファミリア展』を鑑賞する会

サグラダ・ファミリアは建築物というよりは、世界一巨大な芸術作品なのだと認識させられるのに十分な内容の展覧会でした。
展覧会の構成としてはまず、ガウディが創作の源としたのは「歴史」「自然」「幾何学」であることが示され、「歴史」ではイスラム建築や中世ゴシック建築などから得た建築家としての学び。「自然」からは幼い頃から親しんだ、森の木々や草花などが備えている装飾的要素。「幾何学」では自らの実験で得た放物線を応用した曲面造形。それぞれを写真や図面、模型を使って教科書的な紹介がされていたのが前半。
後半では建物全体の巨大な模型と教会の外観を彩る彫刻や装飾造形などの実物を具体的に展示。サグラダ・ファミリアの建築には日本人彫刻家が関わっていることはよく知られていますが、その外尾さんが制作された、キリストの誕生を見おろす若い女性像の表情が、花が咲いたようなやさしい笑顔だったのが感動的でした。
サグラダ・ファミリアの学術的な考察と芸術的な魅力を紹介された後、最後の締めくくりは、NHKが昨年6月にドローンを使って撮影した巨大スクリーンで鑑賞する4K動画。地上からでは観ることのできない無数に近い装飾の数々には目を見張るばかりで、死ぬまでに必ず一度は訪れよう!と誓った展覧会でした。