『奥の細道』松島編、「11日瑞巌寺に詣ズ」

令和元年は、奥の細道紀行330年を迎えている。
『奥の細道』で、最も注目に値する箇所・クライマックスは、この11日から始まる「松島平泉」編だと言われている。
芭蕉ならではの「俳諧紀行文」の真骨頂を味わいたい。

曾良「随行日記」によると、九日正午に松島着舟後、久之助宿に着いて真っ先に瑞巌寺を訪ねている。この体験を十一日に遅らせ、芭蕉は『紀行文』に独立した一章に文飾している。
この表現手法は、「五月朔日のことにや」と書いた以前の飯塚泊・伊達の大木戸編も、曾良の「随行日記」五月二日の文飾であり、芭蕉の記憶違いではなく明らかな創作表現と評釈されている。

「随