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色彩を持たない多崎つくる −彼の巡礼の年

20130912 村上春樹『色彩を持たない多崎つくる 彼の巡礼の年』(文芸春秋社 1700円+税)

 図書館でやっと借りることができた 一週間ほどかけて読了したので、 内容紹介と若干の感想を書いてみました


 名古屋の高校生時代、主人公は多崎つくる、赤松(アカ)、青海(アオ)、白根(シロ)、黒埜(クロ)、の5人は仲の良い友人同士だった 多崎つくるの名前のみ色彩を持たない。高校時代の5人はほとんど隙間なく、ぴたりと調和していた 彼らは互いをあるがままに受け入れ、理解しあった。

 多崎つくるのみが東京の大学へ、他の4人はみんな地元の大学に進んだ 高校二年の夏休みに多崎つくるが東京から帰省して、仲間に電話連絡した時、突然、理由もわからないままのけ者にされることになった その理由を皆に尋ねても「自分に聞いてみろよ」という答えしかいられない。 多崎つくるには心当たりがない それ以後多崎つくると名古屋の四人との親しい関係は終焉を迎える。 
 東京へ帰っても多崎つくるは悶々とした日々を送る

 そのような状態で16年の歳月が過ぎていく。 多崎つくる、東京の工学系の大学を卒業して、電鉄会社の駅をつくる課に所属している。何人かの女性とも付き合ったが、そのことが原因になっているのか、一定の距離をおいてしか付き合えない。 つまり、没頭することができないでいる。

 そのころ、多崎つくるは二歳年上の沙羅というOLとつき合っている。 二人の関係は精神的にも肉体的にもしっくりいっていて、たがいに惹かれる関係にあるのだが、多崎つくるは以前の女性友達の場合のように一定の距離ができるような付き合い方になってしまう

 それがきっかけで、高校時代からの心のわだかまりを沙羅に打ち明ける。沙羅は高校時代の4人にあって、心のわだかまりになっているものを解消すべきだと提案する。 

 そこから、「多崎つくるの巡礼の年」が始まる アカとアオには名古屋で話すことができた。 それで、部分的に疑問は解け始める。(シロは多崎つくるに、乱暴さて、妊娠した、と言っていたそうだ。だれもそれを真実とは思っていなかったそうだが)。そのシロは他殺ですでに亡くなっていた。 もう一人の女性クロはフィンランド人と結婚して、フィンランドに住んでいる。
 多崎つくるは、休暇を取って、ヘルシンキまでクロを訪ねていく。 クロからシロ(・ユズ)の話を聞かされる。 高校時代、クロ(・エリ)には美しいシロにたいして心にわだかまりがあっって、シロの苦悩を知っても、シロを救ってやれなかったという負目があった。クロは自分の娘に、ユズの名前を付けている(ユズ・クロ・ハアタイネン、という) 
 エリと話している間に、長い間胸につかえていたものが徐々に氷解していく。

 こうして、「巡礼」は終わり、多崎つくるは東京に戻ってきた 自分の中に残っている冷ややかな芯を、自分はこれから少しずつ溶かしていかなくてはならない、とおもっている。

 沙羅とは、3日後に会うことになった。「明日沙羅がおれを選ばなかったら、おれは本当に死んでしまうだろうp368」と思うほど、沙羅と一緒になりたいとおもっている。ここで物語は終わる。

 村上春樹の小説には、かなり重要な役割を果たす音楽が出てくる。この小説では、フランツ・リストの「ル・マル・デュ・ペイ」(『巡礼の年』、ラザール・ベルマン演奏)がでてくる。              
 これはフランス語の「Le Mal du Pays」は、一般的にはホームシックとかメランコリーといった意味でつかわれるが、もっと詳しく言えば、『田園風景が人の心に呼び起こす、理由のない悲しみ』(P62)だそうだ  シロ・ユズがよく弾いていた曲でもあるp305

 読者からすれば、多崎つくると沙羅とのその後が知りたくなる 沙羅がつくるを選んだ場合はハッピーエンドだが、選ばなかった場合はつくるの人生はどうなるか? 

 村上春樹の小説としてはわかりやすいが、タイトルのユニークさからややミステリアスな内容を連想させられた。 また、高校時代からの心のわだかまりを解くためにフィンランドまで行くような「巡礼」をするだろうか。 自分はどういう人間か、と言う基本的な問題にまで掘り下げられている。おそらく、多崎つくるは純粋で、インテリ―度の高い人物なんだろう。

 面白く読めて、割合深く考えさせられ、十分楽しめました( ・ェ・)ノ

コメント

harukazeさん

2013年09月17日 20:17

まこさん

本も断捨離の対象ですから、図書館で借りて読んでいます
長い時は3カ月も待ちますけどね たくさん予約してあるから
ちょうどいいのです

まこさん

2013年09月17日 15:36

こんにちは♪

とても興味深いです!
是非 読んでみたいと思います^^

私も図書館派なのですが
順番待ちが 余りにも長い作品は
ブックオフなどを利用してます(^^♪

名古屋は2、3度しか行ったことはありませんが
色彩のない都市なんですか・・・?
では 大阪だったら??
多彩ーーっというか 色がごちゃ混ぜで
騒々しい感じ?と思われそう(^_^;)

harukazeさん

2013年09月17日 08:12

としさん
 名古屋はたしかに色彩のない都市かもしれませんね そんな気がしますよ

としさん

2013年09月17日 07:39

愛知県在住のとしと申します。
久々に村上春樹作品を読みました。色彩を持たない・・・という表現で若者の心の奥底が描写ができるのはすごいですね。ちなみに名古屋を外から見ると、色彩がない街に見えるんですね・・・

harukazeさん

2013年09月16日 21:16

このみさん
 小生はほとんどの本を図書館で借りて読みます それで十分ですよ 村上春樹『1Q84』の三冊も図書館で借りました 

 村上春樹の文体は独特で、慣れると、割合読みやすい あたまの悪い小生でも、理解できるほどです

このみさん

2013年09月16日 20:38

わかりやすく感想を書いていただいて どうもありがとうございます。

読解力がないので 助かりました。

私も 図書館派ですので借りたいと思います。

有難うございました。