検察が日本の政治の進化を阻害した

(31)陸山会事件で「虚偽捜査」の標的となった小沢元秘書の石川知裕氏に聞く・上
佐藤章 ジャーナリスト、慶應義塾大学非常勤講師、五月書房新社編集委員会委員長

検察捜査が奪った日本政治の「時間」

 カルロス・ゴーンが国外に逃亡した件は日本国民の憤激を買ったが、反面で伊藤詩織氏の事件に対する警察の対応などを見ると、日本の検警察に対する信頼感はほとんどゼロに近い水準にまで低下してしまったことがよくわかる。

 しかし実は、日本の検察に対する信頼感は、2009年の「陸山会事件」で強引な捜査を進め、罪なき人々を「冤罪」に落とし込んだ時点でほとんど失われてしまっ