「校舎を渡る風」
渡り廊下に一陣の風が吹いた。
女生徒の長い髪を揺らしスカートの裾がヒラヒラと
戯れている。
中庭の木の葉も嬉しそうにクルクルと舞っている。
木枠の窓ガラスがカタカタとそよ風の調べを奏でていた。
そんな情景をふと眺めていて心がとても和んで、
安らかな気持ちになっていた。
「学校に吹く風って、上流を流れる水のように清らかに
澄んでいるんだなあ、なんて心地良いのだろう」
キ~ン コ~ン カ~ン
「ああ午後の授業が始まるけど、しばらく佇んで眺めて
いたいな~、でも生徒たちが待ってるかぁ」
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