《銀座レポ》ここはどこの細道じゃ

 銀座の表通りは相変わらずの賑やかさで、とても明るくて。ビルに陽が差し、窓ガラスがキラキラと光を反射させていました。歩いたのは、その足元にある薄暗い隙間です。

 もう数年前になりますが、最初に歩いた細道は八丁目にある《金春小路》でした。これはいったいどこに抜けるんだろう。まるで見知らぬ洞窟に踏み入る気分。くすぐられた好奇心は、小路の入口でちょっとした冒険心に変わりました。
 表通りに出た時、なんだか秘密の抜け道を発見したようで。それからです、狭い路地を探しながら銀座を歩くようになったのは。
〝洞窟〟で見つけたのは、ビルの陰に佇む稲荷神、名立たる作家が通