今村翔吾 の じんかん と 松永秀久像

第163回直木賞候補となった、松永秀久の生涯を描いた作品です。「人間」と書いて〈じんかん〉と読ませ、「人と人が織りなす間、つまりはこの世という意味」としています。戦国の三悪人とされる松永秀久ですが、非常に分かりにくい行動から、作者は敢えてこのタイトルを持ってきたのかもしれません。

◆作者の言う「戦国の梟雄描く逆転の発想(6月20日新聞掲載)」とは。
主家乗っ取り、将軍暗殺、東大寺大仏殿焼き打ちという三悪をなした〈極悪人〉として知られるが、いずれの出来事にも直接の関わりを示す証拠はない。にもかかわらず、悪人として描かれ続ける松永久秀に中学生の頃から引かれ