雪の日

雪深い山道を二人仲良く歩いて行く
肩を寄せ、心寄せ乍ら何かを話している

椿も梅も蕾はなく雪を枝一杯受けている
暫くすると、じゃ又ね、と別れて行った

陽は傾き掛け
急に冷たい強風が吹き纏とう

アラ、不思議、
道は行き止まり、道はない

二人は何処へ行ったのだろう
左右絶壁、正面は高い山が覆い被さってくる

少し雪が溶けた頃その場所へ行ってみたけど
見渡す限りの草原、何もない

大きな柳の木が一本立っている
その下に何時建てられたか解らないお墓があった
ふと見渡せばその真向うにもお墓が建っていた

あの日の二人は誰れ、
此処へは誰も行きってはいけないと