結局のところ、家を建てるにしても、あるいは調理鍋ひとつを買うにしても、我々の暮らしの中には道具、つまり形やスタイルがあって、そうした意匠が自己を表現するための手立てだったりする。デザインという言葉に置き換えれば「あら、この服ステキね」ってことになると、実際にその服を着ている自分をイメージする。それがショッピングの愉しさだろう。

さておき、自分をデザインするってことを考えた場合、あまりそこに作家性を持ち込んではいけないと思う。つまり、有名デザイナーの服だとか、どこそこのブランドだとか云うやつだ。これは服や調度品に限らず、建築にも云える。我々はモノを買って