ストラディヴァリウスの響き

札響定期演奏会、全曲シベリウスで「アンダンテ・フェスティーヴォ」、ソロ・竹澤恭子の「ヴァイオリンコンチェルト」、「交響詩・四つの伝説曲」。指揮者が演奏前にマイクを持つというのは他ではなないだろうが、プレトークとして尾高さんはこんな話をされた。
 「若い頃、初めて外国に出たのはピアノの館野泉さんに〈尾高さん出なきゃだめですよ、一緒に行きましょう〉と進められたからでした。フィンランドのヘルシンキに行きました。シベリウスの住んでいた家に案内してくれましたが、クローゼットには洗濯屋さんから届いたままのビニールの被った洋服がそのまま架かっていましたし、居間に大きな