朝の声(水彩画)

私の幼少の頃、朝は「コケコッコー」と鳴く鶏の声で目が覚めたものだ。
何処に家庭にも鶏そしてウサギを飼っていた。私の家は非農家だったけど、この鶏とウサギを飼っていた。
貧しい家計の足しにと鶏は毎日卵を供給してくれるし、何かの祝い事には、鶏もウサギも食料源となった。
その鶏の鳴き声を聴かなくなって久しい。勿論、都会に住み着き、住宅事情も食糧事情も一変した事が大きな要因だろう。
鶏は大きな養鶏所で飼育され、ウサギはペットに変身してしまった。
コケッコッコーの朝の声は田舎に帰省しても聴かなくなった。
懐かしいな、あのコケコッコーの鳴き声。

絵 「出漁 久里浜港