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よくあるご質問

【 小春日和に… 】…天然生活( 其の138 )

《 小春日和に… 》
 
性分の暗さのわりに
日向ぼっこが好きである…

小春日和の今日も
二階の手作りのサンルームで
暇つぶしに本を眺めている

傍らのCDラジカセからAmazing GraceのSaxが流れて
窓際の半分葉の落ちた楓の枝々に雀が群がっている…

…耳鳴りが世界をマスキングして
“我が世の小春日和”である…(^^

眺めているのは山本夏彦の本である
山本夏彦が死んだ時、不覚にも落涙したのを思い出す
実の親父が死んでも一涙もしなかったのに…。

親父も夏彦も大正4年生まれで
死んだのも同じ年月で八十八歳であった

親父からは何一つ学べなかったが…
彼からは人間学と云ったらいいか
世間学と云ったらいいか
表層的でないものを教えられ、大人にしてもらったと思っている

「 職業には貴賎がある…」
「 善良というものは、危険なものだ。殺せといえば殺すものだ」
「 馬鹿は百人集まると百倍馬鹿になる」
「 身辺清潔の人は、何事もしない人である。出来ない人である」
「 現代詩が読者を失ったのは、文語を捨てて口語をとったから…」
「 教科書は現代の事は書かぬがいい。50年100年以上前の事だけを書け」
「 偽善は常に正義を装う」
「 株屋というものは、何も生産しない。正業ではない…」
「 人はどこまで無実か…悪事が露見するまで」
「 喉元過ぎれば熱さを忘れるのが、人の常…」
「 人は生まれつきケチである、従って恥じるには及ばぬ」
「 私は人類を愛していない。見限っている…自分の内心を見て愛想をつかしたのである」
「 まじめ人間はまじめくさるからいけないのである。今も昔も私たちに欠けているのは笑いである」
「 美人が権高いのは魅力である」
「 私はこの世はムダから成っているとみている」
「 わが青春が暗かったのは、戦争のせいではない。その証拠に、いまだに暗い」

…等々、鋭い舌鋒で人間の本質や世間の常識を切り刻み
白日のもとに晒してくれた

しかし、快刀乱麻を断つ其の陰には日本人の恥らいと風流と情緒が見え隠れするのが夏彦の真骨頂でもある…。
少年の多感と老練さを兼ね持つ稀有の人でもあった。

…それにしても古希にもなると、
先達が次から次と消えてゆき…
馬齢を重ねただけの自身が独り寒風の中をそぞろ歩かねばならない…。

老いると云う事はそういう事なのだ…と思うと
小春日和の日溜まりの中で少し身震いをした…。

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