趣味でつながる、仲間ができる、大人世代のSNS、趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)

よくあるご質問

ここ数日の読書

2日間続けて降った雪も、今日は気温も緩んで今は雨に解けて道路はビショビショ。
 怠けて書くのを休むと、つい億劫になる。
 読んだ本は、渡辺一夫著『ヒューマニズム考』講談社現代新書。結婚して間もなく買った本なのに読んでいなかった。
 その中に、《ユマニストhumanisteという言葉は、16世紀後半にフランスの作家によって用いられ、意味は「古典語・古典文学の研究(愛好)者」のことで、「神学者」に対比させられていた》とあった。学問の中心が神学であったことに対する、「もっと人間らしい学芸」というこの時代の学者たちの叫びからでもあったのだという。
 そしてエラスムスについても取り上げられていた。
 写真は、ホルバインの描いたエラスムス像、帽子を被り、マントのようなものを羽織って、多分立ち机で書いているのだろう。オランダは樺太と同じくらいの緯度であり、寒いのでこのような格好だったと何かの本で読んだ記憶がある。

 堀越孝一著『ブルゴーニュ家・中世の秋の歴史』講談社現代新書は、昨年春に東フランスのアルザス・ブルゴーニュを旅したので、この本に出てくる地名と人物を懐かしく思い出したが、複雑な関係の中で王位が継承されていることもあって、一度しか読まない私の頭では、歴史の流れと王家の続柄がいまいちすっきりと理解できないでいる。
 訪れたブルゴーニュ公国の都ディジョンの近くにボーヌという町があり、そこに「貧しき者のための宮殿」と呼ばれる「オテル・デュー(神の宿)・慈善院」があった。
 ブルゴーニュ公国の宰相であったニコラ・ロランとその夫人が、貧しい人のために造った病院で、現在、病院は別の場所に移転していたが、昔からの美しい彩色された瓦屋根の施設は今も一部老人ホームとして機能していた。その運営経費は、この地で生産されるワインの販売によって賄われており、その仕組みもニコラ・ロランの時代から続いている。
 写真は、施設の壁に掲げられていたものを写したもので、斜めになってしまったが。
 もう一枚の方は、この新書にも取り上げられていたルーブル美術館にある、ヤン・ファン・アイクの名品「官房長ニコラ・ロランの聖母」。中央奥に見えるのはリェージュの町。
 官房長の耳の上を水平に切りそろえる特徴的な髪型は、この時代の上流の男たちのスタイルで、「ジャンヌ・ダルク・カット」と言うのだそうだ。
 この本を読んでから、以前に500円で求めた『ジャンヌ・ダルク』というDVDを観たが、イングリット・バーグマンの演ずるジャンヌはおかっぱ頭で、これとは違うのだが。
 ニコラ・ロランが仕えたブルゴーニュ侯フィリップは、ジャンヌ・ダルクをイギリス軍に売った当事者として民の不評を買ったが、それを和らげたのは二コラ・ロランの善政であった。 ブルゴーニュの実際の統治は、この官房長が全て行っていたとの記述もあった。

 興味があって、これまでヴェネツィアに関する本は随分読んだが、饗庭孝男・陣内秀信・山口昌男共著『ヴェネツィア・栄光の都市国家』東京書籍は、三人の先生による多角的で学際的な興味溢れるヴェネツィア紹介で、旅行前に読んでおくべきであったと思った。
 塩野七生さんの『海の都の物語・ヴェネツィア共和国の一千年』新潮文庫の全七冊のヴェツィア興亡史も労作だと思ったが、三人の研究者の鼎談も愉しいし、それぞれの歴史・文化・建築・知の空間としてのヴェネツィアが語られており、オリエント・ラテン・イスラム・ゲルマン・スラブ等の文化を媒介して、混融させることで自らを強大にしていったヴェネツィアという都市国家を、脱領域的に捉えている点で三人の先生方の特徴が遺憾なく発揮されていて、大変面白く読んだ。

 もう一冊は、新日本製鉄株式会社広報室編『和英対訳・日本の心?・文化と伝統』丸善ライブラリー。国際化と言うことは相手を理解することと同時に、日本を私たち自身が正確に理解していることが「相互理解」のために最低限必要なこと、として編まれた本だという。英文対訳で、日本の神々、宗教、十七条憲法と和の精神、禅の思想、武士道、古典芸能、宣教師からみた日本人、など著名な一流の先生が執筆した日本理解の書である。
 以前日記に書いた、同じく英文対訳の木村尚三郎監修の三菱自動車株式会社がイリノイ州でクライスラーと合弁会社を設立する際に、日本理解を深めるために従業員向けに編纂し三省堂から発刊した『日本のすべて』より規模は小さいが、なかなかいい本であった。

カテゴリ:ニュース・その他

コメント

コメントはログインすると見られるようになります。