約六拾年も前、
貧乏学生の頃、
ストッキングの破れがモノ語る。
新調するよりも山に通う電車賃に使ってた。
関西・奥美濃の、金糞岳・横山岳へと、
伊吹北尾根から辿りついた。
山麓へ飛び出す手前、藪がひどく、
ストッキングがボロボロになった。
(昭和弐拾八年・湖北の当時まだ高山村と、
呼んでいた集落の社)
単板のスキー、
ベンドにシールを掛ける尖がりが無い。
スチールエッジの出始めで、ビス留め。
これでも当時の最新式、悦に入っていた。
シールを張り付けたまま持ち歩いていた。
締め付けに、要領と手間が掛かるからだっ