モーニング・コール(田口ランデイー)

土曜日の朗読会で聴いた話に感動した。

『君へ』に掲載されたショートストーリーだが結末が興味深い。


早朝、男の家に電話が掛かって来る。

眠たい目を擦りながら受話器を取るが、何も言わない。

2〜3日おきの時もあるが、いつも掛かるようになった。

無言電話だが、背景にかすかだが『潮騒』が聴こえる。

男は気にはして居なかったが、毎朝起きるのが日課になった。

朝の景色・太陽、そして生きている事が楽しくなった。

半年ほど続くが、6月のある日を境にぴったりと止まった。

それからしばらくして、女性から電話が掛かって来る。

   「もしかして母が大変ご