書棚に本を、と思うのは

伊集院静著『美の旅人フランス編 ?・?』小学館文庫、読了。
 作家としての著者の取材態度は、この本にも反映されている。つまり旅を始める前に簡単なフランスの歴史年表を作り、その上に世界史を加えて画家の置かれていた環境を表わし、これに美術史を加えて画家の生存年表を横線に並べていく。これだけならよく他の歴史書においてもよく出会う。さらに思想家・哲学者・音楽家・詩人・文学者などを加えていくと、17世紀前半以降では、表現する人々が互いに無関係に作製しているのではないということが浮かび上がってくる。それらのことを通して画家の人となりとその作品、他者との関わりでどんな