仮通夜

12月14日の深夜、
四十三年ともに暮らした家内は、
眠るように亡くなった。

初七日はすませ、21日から出勤しているが、
何をするのもおっくうで、むなしい。

「めそめそするな、女々しいぞ」
と、一方で思いつつ、
帰宅し、家内が愛用していた品を見るたび、
涙がこぼれる。

今春、担当医から、「残された時間は少ない」
と言われていたから、
「限られた時間で、してやれることを精一杯してやろう」
と、腹をくくっていたが、
目の前に現実を突きつけられると、
その厳しさは、想像をはるかに越えている。

仮通夜の晩、
息子や孫たちが、駆けつけるまでの間、
一人で家