呑兵衛爺の暮れ暮れ草(7) 道を尋ねられる

東京在住10数年の30代に郷里へ妻子を連れて戻り、早 40年近く経過しているが決して地元の地理に明るいわけではない。名古屋は戦後の焼け野原から発展に発展を遂げて街全体が大きな変容を遂げてきているので、その変化について行けないから方向感覚が働かないのである。ここ2〜3年夕刻にロングの犬散歩するようになってから、途中で道を尋ねられる事がすでに20数回になる。栄や名古屋駅など街中を独りで歩いている時は道を聞かれた記憶はわずか一、二度しかない。決まって犬を連れている散歩中に声を掛けられるのである。コースは大抵決まっている。丁度、長方形の外周をなぞるような形で進行