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よくあるご質問

素浪人の『万葉集漫談』(149話) … 現代中国を思い、日本を思う。

(149)住吉(スミノエ)の 浜松が根の 下延(シタハエ)へて
      わが見る小野の 草な刈りそね
         巻二十・4457 大伴家持
大意・住吉野浜の松の根が地中に深くのびているように、私が心を止めてひそかに見ている小野の草を、どうぞ刈り取らないでください。

(149’)にほ鳥の 息長(オキナガ)川は 絶えぬとも
      君に語らむ 言(コト)尽きめやも
   巻二十・4458 馬史国人(うまのふひとくにひと) 
大意・息長川の水の流れは尽きようとも、貴方に語りかけたい私の言葉は決して、尽きるものではございません。

(149'') 蘆刈りに 堀江漕ぐなる 楫の音は
      大宮人の 皆聞くまでに
   巻二十・4459 大伴池主
大意・蘆を刈るために堀江を漕ぐ舟の楫の音は、大宮人がみんな聞くほどに大きく響き、聞えることです。


解説・ さて、もろもろの万葉学者が説く解説書は、いずれも自然をめでる歌とか、小野を女性の比喩とした恋歌、あるいは(注にもあるのですが)、古代の伝承歌とします。
しかし、この三首は、私にはそうした単純詠にはとても思えない気がします。
この三首は、756年3月、散位(官職はなく位のみの)馬史国人宅に集まった三人がそれぞれに詠んだ歌です。
そしてその前月の756年2月2日に、大伴家持が心から信奉し、尊敬して止まなかった左大臣、橘諸兄がその職を追われていたのです。
光明皇太后、孝謙天皇の強力なバックアップで政権を掌握した藤原仲麻呂の圧力と術策に落ちてのことでした。
長い皇族政治が、藤原氏という民間出身の貴族政治に変わったいわば、政局の大変換があったわけです。
大伴一族をいろいろと応援してくれた大黒柱が遂になくなったのです。家持が悲嘆にくれ、衰亡の道しか見えない大伴一族への思いは言い知れぬものがあった筈です。しかも時の政府を批判すると、捕らえられ処刑されるため、こうした比喩歌で、橘諸兄の追放を密かに嘆いたものと解釈したいですね。
何れ、万葉学者にも照会したいと思いますが、皆様お手持ちの解説書などに、私の説を支持するような説が見られたら、ぜひご一報くださるよう、お願いいたします。  

現に、現代中国は一党独裁で、政府の批判は許されません。「国家転覆罪」で逮捕され、処刑されされ兼ねないのです。政治と時代の波に翻弄され犠牲となってゆく幾多の知識人や科学者などがどれ程大ぜいいることか。
実は日本の古代国家にもそうした歴史の見本を見た次第です。

かえりみて日本の現状は如何でしょうか。
国家の将来を見据え、生産的な論議をする野党議員は殆どなく自党のエゴのごり押し。共鳴するように時の政府を誹謗し中傷して短期政権のくり返しを煽る、アジテーター役のマスコミも気になります。
新しい年は、そうした問題を提起されているようで、国民一人一人が、日本の将来ために、どの政治家が一番真面目に考え,国民自らの立場で、900兆円にも近い国の借金を減らしてゆくかを考えるチャンスを与えてくれているのかな?
『万葉集』を学ぶ楽しさに、私はこうした問題の側面もその一つとして加えたい気がしますが…(笑)。

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