趣味でつながる、仲間ができる、大人世代のSNS、趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)

よくあるご質問

素浪人の『万葉集漫談』(150話)…聖武太上天皇の崩御。

(150) 移りゆく 時みるごとに 心痛く
       昔の人し 思ほゆるかも
          巻二十・4483 大伴家持 
大意・移りゆく時の変化を思う時、胸抉られるように苦しく、昔の人々が思われてなりません。

解説・757年6月の歌です。この年2月には前年の756年に左大臣職を追われた橘諸兄が亡くなり、その756年の5月には聖武太上天皇も相次いで崩御されます。
家持を支えてくれていた大黒柱を次々と失って、絶望の淵に立たされた悲哀がひっそりと詠われているのです。

(150’) いざ子ども 狂業(タワワザ)なせそ 天地(アメツチ)の
      堅めし国ぞ 大和島根は
          巻二十・4487 藤原仲麻呂
大意・ これ皆の者ども,狂けた所業を取るはないぞ。天地四方を治める神々がおつくりになった国なのだこの大和の国は。

解説・前の家持とは対照的に仲麻呂の天下に号令する歌です。いまや内外諸兵の権を一手に掌握して奢る内相の、得意満面の歌ともいえます。
6月には橘諸兄の子、橘奈良麻呂一族をむむ謀反の密告を受けて断罪、処刑し、もう仲麻呂に対抗する勢力は全くなくなったようです。
また758年8月には孝謙天皇が譲位され仲麻呂の推す淳仁天皇が即位します。
時代はもう、仲麻呂の意のままに大きく回転をし始めたかのようで、恵美押勝の姓も賜って有頂天の彼の前途には、立ちはだかる障害は一切消えて、もう洋々たる将来だけがあるようでした。

さぁ、家持の運命やいかにと、云うところですが…。

カテゴリ:ニュース・その他

コメント

コメントはログインすると見られるようになります。