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よくあるご質問

素浪人の『万葉集漫談』(151話)…すべての花がしぼみ、人の運命もままならぬときがあるもの。

(151) 八千種(やちくさ)の 花は移ろふ 常盤(ときわ)なる
      松のさ枝を われは結ばな
          巻二十・4501   大伴家持
大意・ さまざまな美しい花は衰えていきます。常緑の松の枝に私は祈りを込めて、それを結びたいと思います。

(151’) 高円の 野の上の宮は 荒れにけり
      立たしし君の 御代遠退(とほぞ)けば
          巻二十・4506  大伴家持
大意・高円の野のほとりの離宮も荒れてしまったことだ。亡くなられたわが君の(聖武天皇)の御代もとおざかったので。

解説・ いずれも、758年式部大輔中臣清麻呂臣の宅で宴した折の家持の歌です。贔屓にしてくれた聖武天皇は亡くなり、藤原仲麻呂(恵美押勝)の天下となっていました。大豪族であった大伴族の長としては、その強引な政治を黙認し傍観する以外に手がなかった家持の心中が見えるようです。

この年には60歳を老丁、65歳を養老とする、戸令が出されて今日の定年制の先がけが見えるのも大変興味のあることです。
そして8月には女帝孝謙天皇が譲位し、仲麻呂が皇太子に推した淳仁天皇が即位します。そして…。

(151’) 秋風の すゑ吹き靡く 萩の花
        花にかざさず あひか別れむ
         巻二十・4515 大伴家持
大意・ 秋風が葉末を吹き靡かせる萩の花を、一緒にかざして楽しむこともなく、お別れすることになるのでしょうか。

解説・ 6月には家持の因幡守への転出、左遷が決まります。この歌は7月5日に開かれた、大原今城真人(イマキノマヒト)宅での送別の宴の席の歌です。若く青年期を、大国越中守として活躍した大伴家持にとっては大きなショックであったことと思われます。

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